茶、美、くらし

お茶と食事 余珀 店主。お茶、日本の美、理想のくらしを探求中

9月2日

入籍記念日。今日で入籍して10年経った。「一年で一番大事な日だから」。そう言って、夫がこの日に入籍することを決めた。9月2日は私の誕生日だ。



夫は照れずに、気負わず、素直に気持ちを言葉にすることができる。出会った最初からそうだった。「ありがとう」とか「幸せだ」とか、そういうことをすんなり言えるのは、あの人の美徳の一つだ。



この10年、夫のおかげでずいぶん幸せに暮らしてきた。夫は、私が朝目を覚ましただけで「ありがとう」と言う。会社員時代、私が始発で仕事に行く時でも一緒に起き、私が見えなくなるまで手を振って見送り、私の帰りが遅くなる時は駅まで出迎えてくれた。衣類の状態に合わせて完璧な洗濯をし、洋服をプロのようにきれいにたたむ。惑うことのない審美眼で物を選び、呼吸をするように無意識に部屋を整え、毎朝美味しいお茶を淹れてくれる。そして、私が生まれた日をもっと特別にしてくれた。



以前、母から聞いた。妹が私を尊敬しているらしい。かわいいことを言う妹には後で何かご馳走してあげよう。数年前、妹が結婚する時「結婚というのは、相手に幸せにしてもらおうと思うことじゃない。相手を幸せにすることなんだ」と私は伝えたそうだ。すごいことを言ったものだ。さて、私は夫を幸せにしてきただろうか。



新しい歳。気持ちはできるだけ言葉にして伝えよう。ささいなことで不機嫌になるのはできるだけやめよう。できるだけ「ありがとう」と言おう。できることをできるだけやろう。今日を一緒に迎えられたことに感謝。いつもありがとう。これからもありがとう。



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