茶、美、くらし

お茶と食事 余珀 店主。お茶、日本の美、理想のくらしを探求中

納豆

納豆が好きだ。茨城出身の母の影響か、子どもの頃の食卓には毎日ほぼ100パーセント納豆があった。ネギをたっぷり入れるのもいい。卵と合わせるのもいい。長芋をすりおろしたのと一緒に食べるのもいい。実家を出て暮らすようになっても、ことあるごとに納豆に頼って生きてきた。



夫は、納豆は嫌いではないが、好んで食べるというほどでもない。お好み焼きをおかずにご飯と味噌汁を一緒に食べる人だ。東と西の食文化の違いなのかもしれない。あとはにおいのせいかもしれない。あの人はとにかく嗅覚が敏感なのだ。



さて、今日の昼食である。夫は仕事。家には私一人だけ。私の私による私のための食事である。オクラをさっと茹でて小口切りにし、たっぷりの紫蘇と茗荷と和える。調味料は少しのごま油と醤油と酢。あとは簡単混ぜるだけ。次は納豆と生卵を準備しよう。ご飯が炊けたらでき上がりだ。



オクラも卵も納豆もそれぞれ主役を張れる実力がある。ご飯と一緒に一つずつ順番に味わったら最後は全部混ぜる。粒ぞろいの役者が力を合わせるとき、できあがる舞台はいつだって最高だ。至福。何なら晩ごはんもこれでいい。においがなんだ。換気すればいいじゃないか。



納豆は冬の食べ物なのだという。以前、「納豆が好きでよく食べている」と店主に話したら、そう教えてくれた。夏に食べると体に少し負担がかかるらしい。納豆に旬があるとは知らなかった。暑い日にどうしても食べたい時は、夏の食材と合わせると良いそうだ。オクラ、紫蘇、茗荷。これだけ入れれば大丈夫だろう。今日はどうしても納豆が食べたかったのだ。



食事を終え、片付けをする。昼からずっと窓は開けっぱなしだ。空気は入れ替わった。おやつにパウンドケーキを焼いた。味見と称して2切れ食べた。雨が止んだ。母はいつも言っていた。「食べたいときが、美味しいときだ」と。いい休日。



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