茶、美、くらし

お茶と食事 余珀 店主。お茶、日本の美、理想のくらしを探求中

辺見庸「1★9★3★7 (イクミナ) 」②

読了して数日、イクミナの衝撃をまだ引きずっている。飲み込んだ赤黒い何かがまだ腹の中にある。全然消化できない。1937年、お前ならどうしたか。今、お前はどうするのか。絶えず問われる。未だ何も終わっていない。それどころか、また始まる可能性すらある。かぼちゃを切りながら指を切った。赤い血が出る。この本を教えてくれた常連さんに読了したと報告する。もう完読したのかと驚かれる。周りに勧めてもみな途中で挫折したという。これを途中で放棄できることに驚く。忌憚なく感想を語れる人がいるありがたさ。親より年上のこの方に、毎週何かを教わっている。飲み込んだ赤黒い何か。ニッポンという闇。いや、飲んだのではない。元々私の中にもあったのだ。切った指が腫れてきた。第一関節が曲げにくい。


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