レイ・ブラッドベリ「華氏451度」
華氏451度。
書物が燃える温度。
この世界の fireman は「消火士」ではない。
書物を燃やす「昇火士」だ。
本はすべて燃やされる。
無意味な音が流れる「巻貝」。
壁に映り、騒ぎ立てる「家族」。
出鱈目な言葉、刺激的な映像、破壊的な遊び。
本を奪われ、娯楽を与えられた人々は
記憶をなくし、考えることを忘れた。
主人公は「昇火士」の男。
ある日、ふと気づく。
なぜ、本を燃やすのか。
本には何が書いてあるのか。
学生時代、授業でその名が出たにもかかわらず
今さら読了。
今だから、その警鐘がより響いた。
その耳は「巻貝」にふさがれていないか。
その目に映る「家族」は本物か。
お前は、考えているか。
2018年11月8日