茶、美、くらし

お茶と食事 余珀 店主。お茶、日本の美、理想のくらしを探求中

2018-11-06から1日間の記事一覧

サン=テグジュペリ「夜間飛行」②

なんということだ。新潮文庫「夜間飛行」の表紙の絵、宮崎駿である。サン=テグジュペリ × 宮崎駿これは熱い。正直、前回書いた文章だけではこの作品の魅力をちっとも伝えきれていない。クライマックスのシーンの美しさは圧倒的だ。まるで荘厳な教会音楽のよ…

サン=テグジュペリ「夜間飛行」

蓋のない操縦席。後ろに通信士が座る。パイロットに話しかける声はエンジン音と風の音で消される。筆談でもたらされる情報、わずかな計器、そして勘だけで当時の飛行機は飛んだ。夜。闇が世界を覆うなか、飛行することがどれだけ危険だったか。夜間郵便飛行…

落ちていた骨。軽い軽い最期のかけら。 白色矮星。星の最期。1㎤あたり、象1頭分くらいの重さになる。 この骨の重さも思いもしがらみも全部、地球が吸い取ったのかもしれない。そうして、この星はどんどん重くなるのだ。 2018年5月26日 星の一生新装版 (科…

※注意(流血表現含む) 1年前、私は顔に穴があいた。 赤い岩肌。土埃。果てしなく広がる荒野に唐突に現れる奇岩。 つい数日前にこれを見た。そう、ここはモニュメントバレーだ。四駆に揺られて進む。巨岩が近づき離れる。また現れる岩。岩。どこまでも走る。走…

ある日のカフェ日記

「この音楽は何ですか?」しゃがんで玉ねぎに手を伸ばしたタイミングで声をかけられた。ゆるふわではない、くっきりと意思を持ったウエーブの髪。深紅に染まった唇。デニム地のゆったりとしたジャケットの背中には、曼荼羅のような刺繍が施されている。彼女…

トラック02

「キッチンにはハイライトとウイスキーグラスどこにでもあるような家族の風景7時には帰っておいでとフライパンマザーどこにでもあるような家族の風景」 10年以上前の誕生日に弟がCDをくれた。お勧めの曲をいろいろ入れて、私のために作ってくれたのだ。2番目…

「死の床のカミーユ」

17年振りにこの絵にまた出会った。 その絵に出会ったのは、1999年の秋だった。つくばからバスに乗り東京へ向かう。国立西洋美術館「オルセー美術館展」に、それはあった。「死んだ人ってこういう顔をしているのよ」。隣の人がつぶやいた。1メートルほどの画…

仕切り直し

だいぶほったらかしにしてしまったブログ。 仕切り直し。 これからまた、書くことを始めます。